新型コロナウィルスの感染者急増でマスクの売切れが1月下旬より続いている韓国。
2月中旬のマスク状況 Eマート
2月24日の大邱市内の様子
現在も、マスク買い占めによる売切れ問題やオンラインの個人間取引サイトなどでの常識を逸脱した高額マスク問題は継続中です。
この記事では、韓国の「公的マスク(国の買上げマスク)」の状況について現地よりレポートします。
目次
韓国政府買付の公的マスクの供給状況は?
大問題となっているマスク不足を解消するために、韓国政府は1,200万枚の生産量の約50%を買い取り、「公的マスク」として、全国2万3千の薬局とソウルおよびソウル近郊を除く農協(ハナロマート)や郵便局で1枚1,500ウォン以下の値段で1人当たり5枚までの制限をつけて販売することを発表しました。
しかし、この公的マスクも圧倒的に数量不足で、公的マスクを手に入れるために何時間も長蛇の列に並び、結局手にすることができないまま帰宅の途につく人々が続出、不満の声が高まっている状況です。
ニュースでもこの長蛇の列や多くの人が長時間、密集する様子が報じられ、
「たった5枚のマスクのために感染リスクの高い環境で待たされるのは本末転倒」
「平日に会社員は買いに行くことができない」
「高齢者や体に不自由がある人には何時間も列で待つことは苦痛以外の何物でもない」
など不満を吐露する人々のインタビューが多数伝えられています。
また、この公的マスクが扱われる場所も限りがあり、その点も問題視されています。
公的マスクの供給はスムーズとはいえない状況で多くの人が不満を感じています。
公的マスクの供給方法、最適解は?
現在は、国が指定する薬局、農協(ハナロマート)、郵便局で扱われている公的マスクですが、公平に行き渡っているかといるかどうかについては不透明な部分もあり、洞事務所(※住民センター。日本でいう役所。市内の地域別にある)で、重複が出ないように住民番号で管理して受け取れるようにしてほしいとの要望も出ています。
ただ、洞事務所がマスクの配分を行うと、通常の地域業務に支障が出るという問題もあります。
そんな中、にわかに大きな注目を集めているのが今月1日に、大統領府の国民請願掲示板に書き込まれた薬剤師による「マスク販売のための提案」です。
薬剤師は、マスクの買い占めや不公平な供給への不満、価格統制の問題を解決するために「薬局のDURシステム」を活用するのはどうかと提案しました。
韓国の薬局に普及する「薬局のDURシステム」とは?
「薬局のDURシステム」は、最初に訪問した薬局で特定薬の処方を受けた人が、別の薬局で同じ処方を受けようとすると、他の薬局がその履歴を確認することができるものです。
薬の重複処方を防ぐために構築されたシステムで、韓国の薬局に導入されています。
請願掲示板に書き込みをした薬剤師は、この既存のシステムを活用し、「公的マスクを販売する薬局で、住民番号を元に1週間に購入できる枚数を登録する形にすればいいのではないか。薬局は全国に多数あり、国が私的横領などがないかどうかを確認することもできる」と指摘して、多くの人の賛同を集めています。
マスコミ報道によると、3日に行われたCOVID-19(コービット19)対策閣議で、イ・ジェミョン京畿道知事も、この「『薬局DURシステム』を活用して買い占めを防止する」案を提案したことが伝えられており、実現する可能性に関心が集まっています。
「マスク5部制」が3月9日よりスタート。外国人も外国人登録証で購入可能
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