【取材レポ】ソンモ、一番好きな俳優にイ・ビョンホン、東方神起ユンホやソ・イングクの作品についても語る「国際短編映画祭、韓国特集プログラム スペシャルトーク」レポ

アジア最⼤級の国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)が開催している秋の国際短編映画祭、韓国特集プログラム スペシャルトークが、10月20日(金)東京都写真美術館ホールで開催され、スペシャルゲストとして、日韓で幅広く活動し、日本語も堪能のユン・ソンモ(元超新星)が登壇、映画や日本と韓国の撮影現場の違いなどを熱く語った。

国際短編映画祭、韓国特集プログラム スペシャルトーク レポ

先に韓国のショートプログラム『秘密にしよう』『マルソック』『カット!』『TRAP by SEO IN GUK』、特別上映として、東方神起ユンホのミュージックショートフィルムでaespaの カリナが出演する『NEXUS』の計5作品が上映された。

上映後、スーツ姿のソンモが登壇し、MCとトークがスタート。

上映された5本のうち、印象に残った作品を聞かれたソンモは、意外にもホラー映画の『カット!』をあげ、会場のファンを驚かせた。

「主人公の男が煙草を吸う時、扉を開けたら雨が降っていて、それを締めたら雨が止む。その世界とこっちの世界と一歩で違う。それを見て、演出がすごく細かいなと思いました」と答え、残虐なシーンでの音の描写に「音がやばかったですね、お金をかけなくてもそこまで表現ができることがすごいなと思います」と、音や映画の色の変化の描写に感心しながら印象を語った。

時間もお金もないことが多い短編映画は、ひとつの場所で物語を作ることもあるということで、「スタッフたちが演出も俳優もやったりする。認知度や人気がなくても、スタッフとして参加しながら監督さんたちと仲良くなったり、“今度使ってください”と言うことも結構あります」と、下積みしながら出演できるチャンスを作っていくこともあるという。

次に「コメディの映画『マルソック』は好きですか?」と聞かれたソンモは「僕の好みではないです」ときっぱり答えたソンモ。

「日本も韓国も同じだと思うんですが、そんなに衝撃的じゃない映画は、あまりチケットが売れないんです。コメディのようなものは100万人超えたら大成功といえますが、アクションとかスリラーはその基準が100万じゃなくて1000万人です。製作費も売れるチケットも違うし、僕みたく好みではないという人が多いからしょうがないと思います。でもこういうジャンルもこれから頑張ってもらいたいなと思います。」とエールを送った。ソ・イングクの『TRAP by SEO IN GUK』の作品については、「僕も歌手をやっていて、昔、超新星というグループでデビューして舞台に立つ前のこととか、いろんな人になれるみたいな、この服も着てみて、あの服も着てみて、スーツも着てみて、何が本当の自分か?映像を5分くらい見て、これ、自分を表現したいのか?と思ったんです。最後に“I AMソ・イングク”と出て、あ、通じたねと。」と共感したという。

ユンホの『NEXUS』の作品については「ユンホさんは、相変わらずカッコいいと思うし、すごく特徴があるなと思ったのが、あんなにダンスも出来て、もともとダンスは上手ですが、表情も今みたく表現できるように常に努力しているんだなと。演技しながら振付て、感情を船の上でずっと続けていけるのが凄いなと思ったし、そういう人はあまりいないと思います。魅力がありました。」とアーティストとしての表現力の凄さを感想を語った。

さらにこの『NEXUS』の制作費の話題になり「コメディの作品より製作費が10倍以上?20、30倍くらい?違うと思います。」「映画の最後のクレジット(エンドロール)が長さでお金のかけ方が違ってきます」と費用が他とかなり違うことをあげ会場を驚かせた。

韓国映画の特徴について聞かれると、「韓国の映画はやっぱり俳優、女優さんが上手いと思ったし、編集のカット数が日本より多い」ことをあげた。「それが良いときもある、良くないときもあるんですけど…そこまで聞きたいですか?」(笑)と、話が長くなりそうなのか、MCに問いかける場面も。

現状では「韓国でショートフィルムは、ほぼ90%見ない」とも語り「ユンホさんのように認知度がある方が出る作品を撮って、YouTubeなどで見せれば、みんな興味が出てくるんじゃないかなと思って。自分も含めてそこも頑張ってほしいなと思います」と今後のショートムービーの広め方を提案した。

日本と韓国の撮影の違いには、「やっぱり時間ですね。一番大事なことだと思うんですけど、韓国では週に52時間以上撮影ができないことが法律的に決まってるんです」と韓国では制限があるという。昨年日本で撮影した際に「その日の6時に呼ばれて、次の日は5時に呼ばれて、休みが1日あったんですがソロスケジュールがあって東京に帰ってきてスケジュールをやって、また次の日、“余裕あるよね?”と聞いたら“明日も5時半に(撮影に)呼ばれました”って。“今、出発するしかないじゃん”って。と、ハードだったことを明かした。「これはまだ(法律が)決まってないんだと思ったんですが、どっちがいいか、いい作品になることはもちろん重要だと思うんですけど、人の命が大事じゃないですか。それは世界的に改善してほしいことだなと思ったことはあります、正直。」と率直な気持ちを語った。

日本の撮影の現場については「今年日本のドラマを3つくらい出演させていただいたんですけど、現場の雰囲気がめっちゃいいなと思って、もちろん作品によって、スタッフさんたちとか俳優さんの人柄とか性格とかによって変わると思うんですけど、基本、日本の皆さんは親切で優しくて、本当に作品を撮る期間が楽しかったし、思い出になりました。韓国では終わったら、大変だったと思うことが多かったんです。始まった時に戻りたいとか、今までそういう記憶しかないです。もちろんいい監督さん、いいスタッフさん達、いい俳優さん達と運よくずっとやることが出来て良かったなと思うのうですが、基本僕が感じた現場の雰囲気でした。韓国もそうなってほしいなと。」と撮影当時を振り返りながら日韓の違いを語った。

「K-POPも含めて、韓国のコンテンツがここまで世界中に愛される理由は何か?」という質問には、「もちろんベースはお金、それより韓国が持ってる財産は、アーティストだと思います。歌手もそうだし、俳優も女優さんも、すごくみんな頑張ってると思いますが、特に韓国人はめちゃくちゃ上手い人が多いと思う。成功するために寝なくていい、これを(他のことを)諦めてもいい、そこまで情熱が強いと思うし、努力をするから実力がつく、上手くなる。そういう人を使える韓国の映画やドラマの現場は、運がいいと思います。」と分析した。

日本作品で観たのは、アニメや映画『ラブレター』『東京タワー』『いま、会いにゆきます』『君の膵臓をたべたい』などの作品を観たというソンモ。「韓国人は、日本は脚本、監督が“上手い”“天才”というイメージを持っている。でも今は韓国人も有名になった人が増えてきていると思う」そして韓国の作品の方がカット数が多いことをあげ、「今の会話をここでも撮って、そこでも撮って、後ろからも撮って…と5回撮っちゃうと5倍じゃないですか。だから韓国は金がかかるしかない、撮影期間が延びるしかない、でも面白い。これつまんないなと思う時にシーンが変わる。角度が変わる。だからそれはいいことだと思う。日本はできるだけ長く今のリアクションの表情だけ撮ってということが多いから、つまらないときもあるかもしれないですが、日本の俳優さん、女優さんも上手いと思うし、脚本や話がいいから観れる、集中が出来る。(シーンが)変わらなくても観れるということは、そういうことだと思います」と日本の韓国の撮影の技法の違いを語った。

韓国で好きな俳優を聞かれると「いまも韓国で一番天才、生まれてからこの人は上手いと思う人はイ・ビョンホンさん。似ていきたいと言う人はイ・ビョンホンさんですね。」「演技が本当にリアルに見えるから、いや、もうこれはイ・ビョンホンさんという人がいないくらい誰にでもなれる人、名前がある?と思うくらい、この人にも、あの人にもなる天才だなと。一番尊敬する俳優さんですね」と熱く語り絶賛した。

日本で好きな作品を聞かれたソンモは「ほぼ女性の方なので、おススメは出来ないかもしれないですけど」と前置きして、北野武の『アウトレイジ』のシリーズをあげ、「一番好きな日本のジャンルだし、映画だし出演したい。本当に昔からの夢なんです」と熱望。他に好きな作品を聞かれると、「日本のドラマをまた観ています。やっぱり…でもいま映画祭ということで、映画の話をしないとね(笑)」と会場を笑わせた。すると以前、共演したいと言っていたという有村架純の『ちひろさん』をたまたま見たそうで、「あれ面白かったです。有村架純さんの声と表情だけで、すごいなと思ってて、やっぱり日本の映画は日本の色があるなと感じました。その風景が演出も日本ぽいなと思いました」と日本の映画の良さを語った。

ここでソンモが出演した映画『ランサム』の特報版の映像が上映された。
11月4日に代官山シアターギルドにて企画上映(完売)が行われるが、今後も代官山シアターギルドではこの映画の企画が予定されるとのこと。さらに来年1月6日にDVDが発売されるという。
フォトセッションでは、マスコミだけでなくファン向けにも行われ、最後の挨拶へ。

ソンモ「今日、俳優として韓国と日本でいろいろみなさんに話を聞かせるためだったんですけど、またこれから11月、僕が出る「アンコール」というミュージカルもあるし、「ランサム」の映画のイベントもあるし、12月24日、僕のクリスマスファンミライブもあるし、これからいろんなところで演技と歌の分野で頑張って広げていきたいなと思いますが、みなさんもこれからも沢山温かい応援よろしくお願いします。」

SUNGMO Christmas 2023 公演情報

2023年12月24日(日)
森のホール21 (松戸市文化会館)小ホール 千葉県松戸市千駄堀646番地の4
– 昼公演 開場14:00 / 開演14:30
– 夜公演 開場17:30 / 開演18:00
詳細はソンモの日本公式サイト参照




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