パク・ヘイル、シン・ミナ出演 韓国映画『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』2019年初夏ロードショー

©2014, LU FILM & INVENT STONE

パク・ヘイル、シン・ミナ出演の韓国映画『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』が、2019年初夏ロードショーとなることが決定した。

映画作家チャン・リュルの、美しい傑作。詩情緒の世界
韓国、古墳の街、慶州〈キョンジュ〉。
この地を訪れた男・ヒョンと、そこに住む女・ユニ…。

韓国映画界を 代表する名優、パク・ヘイルと、演技派に成長したスター シン・ミナが演じる男と女が出逢ったとき、時を越えて消えたものがふたりを強く結びつける。そして、いつか見た、生と死の間に、その哀しみが熔けていくーー。

監督は、今年のベルリン映画祭で最新作「福岡」が上映されたチャン・リュル。
初期作品 「キムチを売る女」がカンヌ映画祭で受賞して以来、発表した作品「春の夢」「群山」など常に世界の映画祭で注目を集めてきた。
日本では知られざる、世界の名匠だ。

本作「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」 は、チャン・リュルがこれまでと違う次元に入ったターニングポイントとなる一作。
ここからチャン・リ ュルの新しい世界がはじまる。映像で、人の心を書く、映画作家の美しい傑作である。

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映画『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』のあらすじ

古墳の街、慶州〈キョンジュ〉。男、パク・ヘイルと女、シン・ミナ。 いつか見た、生と死の間に、哀しみが溶けていく。

親しい先輩の訃報の知らせから、久しぶりに大邱(テグ)を訪れた北京大学教授のチェ・ヒョン(パク・ ヘイル)。
亡くなった先輩との7年前の旅を思い出したヒョンは、衝動的に、そこからほど近い慶州(キョ ンジュ)へと向かう。

以前と変わらず、美しい緑に包まれた古墳が並ぶ街を懐かしむヒョン。
彼にはどうしても確認したいものがあった。それは、茶屋にあった一枚の春画。

その茶屋を訪れたヒョンは、美しい主人・ユニに出逢う。そこに春画は、もうなかった。
ユニによれば、7年前からそれは存在しないという。
ヒョンはその後、かつて一夜を共にしたことのある後輩の女性をソウルから呼び出すものの、衝撃的な秘密を打ち明けられる。

そして、ユニにも哀しい過去があった……

春画を探すヒョンがやがて辿り着く意外な結末とはーー。

エンディング曲の題名は「サラン(愛)」。詩情緒に満たされるラスト……。

©2014, LU FILM & INVENT STONE

DIRECTOR:チャン・リュルのプロフィール・略歴

1962年5月30日、中国吉林省延辺朝鮮自治州の延吉市で生まれた。
父は祖父の代に中国に渡った2世で、母は14歳で家族と中国に移住。文化大革命時に父親が逮捕されて5年間拘束されて、母親と幼い彼 は農村に下放された。

それまで家庭では韓国語で会話していたが、下放先には周囲に朝鮮族がいなかったことから親子も中国語を使うようになり、韓国語を話すことはあまりなくなったという。

延辺大学中国文学科を卒業し、同大学で中国文学教授となった後、北京に拠点を移し、1986年に小説家として文壇に登場。
影響を受けた作家として「紅楼夢」を作者である曹雪芹、好きな欧米の作家として はカフカの名を挙げている。

1989 年、天安門事件の際に民主化に関する寄稿によって職を追われ、政府から創作活動を禁止された。
それ以降、小説を書くのもやめ、約10年の間、何もしていなかったと語っている。

そんなチャン・リュルが映画監督になったきっかけは、酒の席で映画を撮った友人と口論となり、腹立ちまぎれに「映画なんて誰にでも撮れる」と言い放ったことだった。その言葉が真実だと証明するため、その日のうちにすぐに脚本を書き上げる。それが2001年、彼が39歳の時に監督した「11歳」だ。

それ以前はハリウッド映画しか見たことがなかった彼が、初めて手がけたこの短編作はベネチア国際映画祭など各地の映画祭で上映された。
そして、イ・チャンドン監督の支持を受けて、04年にデジタルカメラで撮影した「唐詩」で長編デビューを果たす。

続く「キムチを売る女」がカンヌ映画祭で受賞したことから韓国でも認知度が上昇。
その後も精力的に監督するかたわら、08年6月まで韓国・延世大学通信大学院映画専攻教授を務め、映画演出論や映画演技論、映像作家論などの講義を行っていた。

2014年の「慶州」以降の作品には韓国の有名俳優を起用するようになり、ホン・サンスと並んで論じられることが多くなった。
また、同作や最近作「群山」には日本人が登場したり、日本にまつわるエピソ ードが描かれたりしているのが目を引く。

13年に東京・渋谷で「中国インディペンデント映画祭」が開催され、「唐詩」「重慶」「豆満江」が上映された際には来日している。
但し、中国では作品が公開されたことはない。

「アジアフォーカス・福岡国際映画祭」と縁が深く、07年に「風と砂の女」が上映されたのを皮切りに、09年に「イリ」、10年には「豆満江」が上映され登壇。
14年には「慶州」で主演のパク・ヘイル、プロデューサーのキム・ドンヒョンと共に招待され、17年には「春の夢」で出演者した二人の監督も参加してのシンポジウムが開催されている。

福岡が大好きということから、18年にはその名も「福岡」というタイトルの作品を監督。
19年、ベルリン映画祭で上映された。
出演者はクォン・ヘヒョ、パク・ソダム、ユン・ジェムンなど。こちらも公開待機中だ。

映画『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』

脚本・監督:チャン・リュル
制作:ナ・ギョンチャン/キム・ドンヒョン/チャン・リュル
プロデューサー:チェ・ジヨン/ユ・ビョンオク
撮影:チョ・ヨンジク
美術:キム・チョヘ 音楽:カン・ミングク

出演:パク・ヘイル/シン・ミナ/ユン・ジンソ/キム・テフン/シン・ソユル/リュ・スンワン/ イ・ジュンドン
2014年 韓国映画 145分
原題『경주』
英題『Gyeongju』
2019年初夏ロードショー
ユーロスペース(東京)、シネ・ヌーヴォ(大阪)ほか全国公開
©2014, LU FILM & INVENT STONE
配給 A PEOPLE CINEMA




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