映画初主演となるJO1の川西拓実と桜田ひよりのW主演映画『バジーノイズ』（5月3日公開）の完成披露試写会が、4月15日（月）イイノホール（都内）で行われ、川西拓実(JO1)、桜田ひより、井之脇海、栁俊太郎、円井わん、風間太樹監督 の6人がステージに登場した。

映画『バジーノイズ』完成披露試写会レポ

マンションの管理人をしながら音楽以外何もいらないと一人だけミニマムな生活を送っている青年、清澄役の川西拓実(JO1)。マンションの下の階から聞こえてきた音楽を聴いて、初めて自分から好きなものを見つけ、世界が変わっていく女性の潮役を演じた桜田ひより。レコード会社に勤めながら清澄たちと出会い、新たな葛藤が生まれていく航太朗役の井之脇海。清澄と共にバンド仲間となっていくベーシストの陸役の栁俊太郎。あるきっかけでバンドに参加することになっていくドラマーの岬役の円井わん。そして話題を呼んだ連続ドラマ『silent』を手掛けた風間太樹監督が登壇。

絶対後悔させない作品になったなと

川西を先頭に大歓声で迎えられた登壇者は、1人ずつ紹介され「皆さんに楽しんでほしい」とそれぞれ挨拶。
MCから「川西さん、緊張してますか？」と聞かれた初主演の川西は「見ての通り緊張してます」と少々ぎこちない様子。「僕も初めての主演映画なので思い入れがあって、一生忘れない作品になると思うので、皆さんに早く見ていただきたいなという気持ちが一番あります」と初主演映画への思いを嬉しそうに語った。映画を観た感想を聞かれると「一回見た時は、自分がまさか大画面のスクリーンに映し出されるのは、これまでの人生で思ったことも無かったので、少し恥ずかしいなという気持ちと、観てくださる方に絶対後悔させない作品になったなと、僕自身もあらためて思いましたし、僕の中で沢山のチャレンジがあった作品なんですが、チャレンジして良かったなと思いました。」と照れくさそうな笑顔を見せた。

W主演の桜田は「撮影をしていたのは去年の夏ですが、ひとつひとつ撮っていたものが、ひとつの作品になって、皆さんのもとに届けることが出来るって、すごく素晴らしいものだと思いますし、頑張って編集や撮影してたスタッフさんもきっと、少しほっとしているんじゃないかなと思っています」と映画の完成に安堵しているという。

関東出身の桜田は、セリフが全編関西弁だったとのことで、「セリフの音源データーをいただいて、家で練習しながら実際に現場で方言指導の方を交えて撮影を進めていきました」そして自分が話す関西弁が「実際に関西に住んでる方からみて、違和感になって作品に集中できないというのが、一番懸念点だったところもあるので、方言だけに意識を向けると演技面がおろそかになってしまうので、そこのバランスをとるのが難しかったですね」と、苦悩したことを明かした。MCから「関西出身の川西さんからの助け舟は？」と聞かれると、とっさに「兵庫なので、僕の言葉があったから…」と、うなずく川西だが、桜田は「ないです、ないです！」と即否定（笑）「なんなら川西さんも方言指導受けてました」と暴露！？（笑）「（東京に）染まっちゃったかな…忘れてないですよ、関西魂」と、とぼけた様子の川西は「見守ってはいました」と、キメ顔（笑）を見せていた。

上司と担当アーティストとの間の板挟みになる役柄の井之脇は、「観てくださった方の多くが、航太朗に共感できるところがあるんじゃないかなと思っていて…」と分析。「もちろん役者の仕事は全部楽しいですけど、もっとこうしたいと思うことも正直ありますし、普段感じてることとか、どこかこの航太朗という役を演じることで、その気持ちが消化されたんじゃないかなと思いながら演じてました」と自身と重ね合わせていたという。

ベース担当の柳は「ゼロからのスタートだったので、この映画をぶち壊さないように、みんなに助けてもらいながら練習しました」「指の皮とか硬くなっていくし、豆ができて大変でした」と苦笑いしながら振り返った。

ドラムの経験者だったという円井は、「“（ドラムは）出来ますよね？”って感じで、楽譜見たら絶望！みたいな。やったことないジャンルだったので、すごい難しいなって思いながら。ひよりちゃんも関西弁でいろいろ大変だったけど、ウチら楽器人も業界の方とか、やってる人から見ると、“下手クソ、こいつ出来ないじゃん”って思われないようにと責任感を感じてました」と、バンド組の苦悩を明かした。

本作は音楽映画で、演奏シーンをアップで長く映すことについて監督は、「吹替は基本的に用意しないと宣言してましたので、コツコツと練習を重ねてもらって、基本的には自分たちで実演してくれました」と熱演してくれたキャスト陣を称賛。

客席に原作のむつき潤先生が来場していることが伝えられると、客席に向かってニコニコ手を振るキャスト陣たち。監督は「音楽業界というのは、刻一刻と時代がめぐっていくタイムラインの感じが忙しない業界でもあるので、まず今を透写するということを大事にして、あとは原作を読んだ時に音楽描写の秀逸さの感じを一緒に作っていくような形で、清澄の作る音楽が登場人物たちの内声や心象を表現するものでありたいと、脚本を作っていきました」と映画化への制作過程を語った。

川西君は、前向きに頑張っていく気合いのある人。ひよりさんは、いろんな感情に自分を揺らがすことが出来る繊細な人

川西と桜田の印象を聞かれた監督は「川西君は、ひよりさんから聞くと、人見知りだったりとか…でも周りから聞くと、そんなことあった？というような人で、僕もよく分からなくて（笑）」と苦笑い。「でも真面目な人ではあるなと。素直で無垢で、いま自分の目の前の課題に非常に前向きに頑張っていく気合いのある人だなと思って見てました」と感心していたという。『silent』から2度目となる桜田については「ひよりさんは、はつらつとした明るい雰囲気もありながら、なにか見えない部分というのが彼女の中にあって、ちょっとおぼろ気で、その見えない部分を見てみたいと思えて、今回オファーしてるんですけど、何か冷静で微熱を持って、いろんな感情に自分を揺らがすことが出来る繊細な人かなと思います」と、二人の魅力を評価した。

嬉しい言葉に桜田は「ニヤニヤしちゃいました（笑）ありがとうございます。でも本当に今回監督とまたご一緒させていただけて、作品を一緒に作れるっていうワクワクもすごくあったので、今回は本当に沢山監督と話をする機会があったので、楽しかったです」と感激の様子。

桜田に”人見知り”と言われた川西は「いや、これはたぶん、撮影の始まりが桜田さんだったんですけど、僕に沢山気を使って話していただいたおかげで、柳君だったり海君だったり、わんさんと初めて会う時に、もう僕的には安心感がある現場にちょっとずつ変わっていったので、だいぶリラックスした状態でやれてたというのはありますね」と解説。

すでにリラックスした状態で出会ったという井之脇は、「すごくフランクに話しかけてくれて、人見知りというのは知らなかったんですけど、きっと川西さんが主演としてどっか気を使われちゃってたところもあるんだろうなというか、意識的に話してくれたんだろうなと思って、（川西に）ありがとうございます」と礼を言うと、「いえ～話したかったんです、皆さんとね」と照れくさそうに答える川西。

柳からは「なんか弟感のある、いたずらとか好きだよね？けっこう（笑）よく小中学生がやるような、うしろからポンとやって、、みたいな（笑）は、しょっちゅうやってきました」と言われると「いや～そうですか？やってましたか？」と恥ずかしそうな川西。柳は「そういうのもあって、人見知りというよりは、可愛げのあるピュアな子って感じです」と、すっかり兄弟のような仲の様子。

川西と初めて喋った居酒屋のシーンだったという円井は、「端っこに置いてある食べれる花みたいなものの匂いを嗅いでて、“うわっシソの匂いする！”って私に嗅がせてきたんですよ。たぶんそれが初めて喋ったときで、びっくりしたんで、ずっと覚えてるんです。（笑）だから人見知りなんだ～ってずっと思ってました」と、驚いたことを明かした。MCが「匂いを会して人とコミュニケーションを取るということですね？」と言うと、川西は得意気に「やっぱりそれが僕の作戦！（笑）」と言って会場を沸かせた。

JO1のポーズを流行らせたい

ここで撮影中の写真を3枚（A～C）を披露。
Aの写真は、川西が所属するJO1のグループポーズをみんなに教えている写真。みんなに流行らせたいと「撮影中ずっとやっていた」「わざと間違えて、ちゃうねん！みたいなツッコミ入れてた（笑）」「（指を）下に向けたりとか！」と和気あいあいのキャスト陣。監督から「意外と余裕あったんだね」と言われた川西は「いやいや、そういうわけじゃなく…」（笑）と大慌て。さらに「（こっちは）セカセカしてました、いいね～」と監督に言われ、「すいませんでした！」とタジタジになる川西。（笑）

Bの写真は「会話したあとにひと笑い起きるみたいな…カットがかからなくて無理やり笑いを繋げようとして…」と状況を説明しにくいという桜田。笑ってる姿だけを撮るというのが難しかったそうで、監督は「1人1人の笑い方が独特だったんですね（笑）ヒヒヒと言ってる人もいれば、フフフとか…」MCから「誰が一番独特の笑い方でしたか？」に「柳君でしょう」と名指しされた柳は、びっくりして「そうすか？まじすか…はい」と苦笑い。

Cの写真は、氷嚢を頭にのせる川西の写真。６～７月の撮影で暑かったため「これがなきゃ正直やっていけなかったくらい暑かったので、結構（氷嚢に）救われました」と振り返った。川西の髪も今より長かったため「暑かったですね、首の後ろあたりとかも」と言うと「映ってるのは涼やかな感じで…」と監督。川西は「それは、おかげさまで（笑）」と、上手く撮ってくれた監督やスタッフのおかげですという様子で語った。

「岩役を待ってます」

次に、映画で「清澄は音楽さえあればほかに何もいらない」という青年のキャラクターにちなんで【〇〇さえあればほかに何もいらない】の『〇〇』に入るものを全員フリップで公開。

川西…『音楽』
「僕は昔から音楽を聴くのが大好きで歌うことも大好きだったんですけども、いまJO1になって、もちろん歌は歌いますし、聴けますし、作るし、僕も清澄と同じように家に帰ったら必ず曲の練習したり、曲作ったりを繰り返す毎日なので、僕にとっていつもそばにある音楽というのは、本当にそれくらい大切だなと心から思って書きました。」

桜田…『動物』（沢山の動物の絵）
「小さい頃から動物がすごく好きで、愛犬も飼っているんですけど、本当にすごく癒されますし、100％の愛情を向けてくれるので、すごく癒されますし、この子のために頑張ろうって思えるので、大きなくくりで他の動物ももちろん大好きなので動物を書かせていただきました。（書いたのは）犬と猫とウサギと、草！野性味を足そうと思って（笑）」

円井…『ねこ』
「猫を飼ってまして、あと、保護猫活動をしているので、猫かなと。（ちなみに何匹？）今二匹です。動物って無償の愛だなって思います。」

井之脇…『岩』
「僕、山登りがめちゃめちゃ好きで、山だけじゃなくて自然一般好きなんですけど、中でも岩がめちゃめちゃ好きで見るのも、触るのも、登るのも好きで、今でも休みがあればボルダリングに行って練習して、長期の休みが出来たら大きな岩を登りたいなと思って。携帯でも岩の画像を見て癒されてます。岩、かっこいいなって。岩が好きです。（笑）」さらに「大きい岩が好きで、1000メートルくらいある岩が好きなんですけど、登りたいし、あわよくば岩になりたい」と言う答えに全員大笑い。川西から「それはちょっと無理かも」と言われると「無理ですかね（笑）岩役を待ってます」と言って会場を沸かせた。

柳…『トモダチ（友達）』
「トモダチ（友達）は普通に何かあった時とか、いなくなったらキツイなと。一緒にいて楽しいですし」と答え、「今まで友達に助けられたことは？」と聞かれると「いや！特に何かあったってわけではないんですけど（笑）友達さえいれば楽しいかなって」「作品もそうだし、そう思ってトモダチです」と映画と上手く繋げた柳。

監督…『推し』
「人生で推しが出来たことが無かったんですよ。でも最近推しができたんで、その推しがあれば何もいらないかなって思ってます」誰か気になる雰囲気に「あまり言うようなものでもないのかな…と思ってるんですが…人ですね」と言う監督に川西は「言わないんですか？」と尋ねると「本当にかっこよくて、演奏シーンとか見てても本当にホレボレするんですけど…（笑）柳君！」という答えに、自分じゃなかった！という様子で大きくコケる川西に会場は大笑い！「金髪の柳君を見てください。（川西に）ごめんな！」と監督に謝られた川西は「そりゃそうですね、もちろんカッコいいです」と納得。鮮やかなコケ方に「関西では、やれ！という教えなので（笑）」と関西魂を見せつけていた。

フォトセッションが行われ最後の挨拶へ。

僕にとって一生心に残る作品になりました

川西「始まりにも言わせていただいたんですけど、今回僕が初主演の映画ということで、僕にとって一生心に残る作品になりました。監督、キャストに皆さん、そしてスタッフの皆さんが本当に死ぬ気で撮影した最高の映画になってますので、ぜひ劇場で、後悔しないと思うので観に行っていただけたらと思います。そしてこの映画は音楽映画なので、映像と音楽を聴いてみて、楽しんでいただけたらなと思います。今日はありがとうございました」

桜田「今日は皆さん、少しの時間ですがありがとうございました。この映画はとても繊細な映画ではあるんですけど、観てくださる方々が、好きなことがある方、好きなこと、好きな人を応援している人、好きなことを諦めてしまった人、どこか誰かにちょっと寄り添えるような、応援できるような、共感できるような、そんな映画になってると思います。そして圧巻の演奏シーンや、出てくる音楽ひとつひとつ、スタッフさんが心を込めて大切に大切に作り上げてきた作品ですので、皆さん、ぜひ何かを感じ取ってくれたらいいなと思っております。今日はありがとうございました」

監督「本日はお越しいただきましてありがとうございました。僕は人間関係にいつも緊張していたり、不安を持ってしまうような人間なんですけど、そういう人が映画を観てその緊張の糸が少しでも緩むような作品となって皆さんに寄り添えたらいいなと思って作ってきました。音楽とその日常、音にもぜひ耳を傾けていただきながら楽しんでいただけたら嬉しいです。今日は本当にありがとうございました」