【取材レポ】キム・ミンジュ「ガウルと私は性格が似ている」ホン・ギョン&ノ・ユンソ&キム・ミンジュ&チョ・ソンホ監督登壇!映画『君の声を聴かせて』ジャパンプレミア イベントレポート

9月26日(金)に日本で公開される映画『君の声を聴かせて』のジャパンプレミアが、8月28日(木)TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主演のホン・ギョン、ノ・ユンソ、キム・ミンジュ、そしてチョ・ソンホ監督が登壇し、撮影の裏話などを語った。

韓国映画『君の声を聴かせて』は、2009年に制作され、その年の国内興行収入第1位を記録した台湾映画『聴説』(09)。14年の時を経て韓国でリメイク。昨年、釜山国際映画祭の「Korean Cinema Today」部門招待作品としてスペシャルプレミアされ、一般公開を迎えた後も、観客動員数初登場第1位、公開月の興行成績1位を獲得するなど観客の熱い支持を集めた話題作。
主人公ヨンジュンを演じるのは、「弱いヒーロー Class1」「D.P.―脱走兵追跡官―」「悪鬼」など相次ぐ人気ドラマ、映画への出演などで唯一無二の存在感を見せてきた若手NO.1の個性派俳優、ホン・ギョン。ヨンジュンが恋に落ちるもう一人の主人公ヨルム役には、「イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~」「私たちのブルース」など、抜群の透明感と高い演技力で注目を集めるノ・ユンソ。第61回百想芸術大賞で将来有望な候補がひしめき合う中、本作で見事映画部門新人演技賞を受賞した。ヨルムの妹ガウルには、日本でも人気を集めた元「IZ*ONE」のキム・ミンジュが扮し、商業映画デビューを果たしており、現在の韓国で最も注目を集める3人の若手俳優たちが淡く眩しい恋物語を紡いでいく。

登壇時には、キム・ミンジュの靴のストラップが外れてしまうというハプニングに、そっと手伝うホン・ギョンとノ・ユンソの優しい姿に会場の観客もドキドキしながら見守る場面もあった。

無事に登壇すると「今日は劇場をいっぱいにしてくださって本当にありがとうございます。」「どうぞ楽しんでご覧ください。」とそれぞれ挨拶。チョ・ソンホ監督が「日本の皆さんにも気に入っていただけるか心配もありましたが、皆さんが私たちの目の前に来てくださって、いま心が落ち着いています。いい時間になってくださったら嬉しいです。」と満員の客席を見て安堵した様子で語ると、突然ホン・ギョンが後ろを向いて大声で叫び、拍手をして盛り上げていた。

Q.映画での来日の感想をお願いします。

ホン・ギョン「日頃、日本の映画がとても好きで沢山見ているのですが、好きな日本の監督や、日本の俳優さんが沢山います。大好きな都市である東京に来ることが出来て、このように撮影した映画が上映されることが嬉しいです。ありがとうございます。先ほどテンションが上がり過ぎて叫んでしまったんですけども、すみませんでした。」と照れ臭そうに謝るホン・ギョンに温かい拍手が起こった。

ノ・ユンソ「実は、私は衝動的に福岡に旅行に行ったのですが、一週間ぶりにこうして東京に映画と一緒に来ることが出来て本当に嬉しく思います。今とても不思議に思っていますし、沢山皆さんに愛していただけたら嬉しいです。とても感慨深いです。」

キム・ミンジュ「私はIZ:ONEの活動でよく日本に来ていましたが、久しぶりにまた来日することが出来てとても嬉しく思っています。いつもファンの皆さんが待っていてくださるので、その気持ちに感謝しています。なのでカッコよく登場したかったのですが、靴の紐が解けてしまって申し訳ありませんでした。せっかく皆さんが来てくださったのでどうか楽しんで映画をご覧ください。」と恥ずかしそうに挨拶した。

Q.チョ・ソンホ監督は、7年ぶりの作品に台湾映画のリメイクを選んだ理由をお聞かせください。

チョ・ソンホ監督「実は、他の作品の準備をしていましたが、制作会社の代表の方からこの作品の提案をいただいて最初は少し悩みました。原作の作品も拝見していたので、考えているうちに当時このくらいの歳だった頃の自分の姿や感情が頭の中に浮かんできて、映画の中に生かしたいと思うようになりました。映画の中で描かれているのは、おそらく現在感じている方、恋愛中の方、映画の中の感情を味わう方もいらっしゃると思いますが、この作品を通して感じてほしいと思いましたので決心してここまで来ました。」

Q.キャスティングの経緯を教えてください。

チョ・ソンホ監督「劇中に出てくるキャラクターと実際の俳優さんたちの年齢が同じくらいがいいなという気持ちでキャスティングをスタートさせました。資料で見たときに、この3人は私の頭の中で思い描いていたヨンジュン、ヨルム、ガウルと本当に似ていたんです。前向きなお返事をいただけたので一人一人に会ってみたんですが、映画を観ていただければ分かりますが、誰が見てもヨンジュン、誰が見てもヨルム、誰が見てもガウルだと思ってくださると思うので、私も3人に会って確信が持てました。3人とも出演を快諾してくださいましたので、今日に至ることになりました。」

Q.役作りについて一番意識されたことは?

ホン・ギョン「私は、このストーリーは誰かに初めて恋に落ちる物語でもあると思うのですが、誰もが人生において一目ぼれをしたり、恋に落ちる瞬間というのを経験することがあると思います。さまざまなストーリーがこの中には描かれていますが、その時のときめきや緊張感、向き合った時の感情というのをしっかりと描いていきたいと考えていました。」

Q. ノ・ユンソさんが演じるヨルムという役柄は、妹を支えて自分の気持ちを押し殺して後回しにする難しい役だったと思いますが、演じてみていかがでしたか?

ノ・ユンソ「私もヨルムの立場であれば、こうだったんじゃないかなと理解ができたんです。ヨルムは両親と離れて暮らしていますし、生計を立てなければならないという責任を背負っています。そして妹は国家代表の選手になるという大きな夢を持っていますので、ヨルムほど強い責任感で臨むことは出来なかったかもしれませんが、私もそうしたんじゃないかなと思えたんです。なので、押し殺したというよりも目の前にある現実の問題を一つずつ解決していくという考えで演じていました。その過程の中で、その人生にヨンジュンが入ってくる、そこでまた成長していく、というストーリーが描かれていたと思いますので、そのようなことを考えながら演じていました。」

Q.ミンジュさんは、国家代表になるという水泳選手を演じられましたが、水泳の練習が大変だったのではないですか?

キム・ミンジュ「実は、私はもともと水泳は出来なかったんです。でも台本を読んだときにガウルと私は性格が似ているなと思ったので、ガウルというキャラクターを上手く表現したいと思っていました。そのためには水泳を頑張ってやらなきゃいけないという思いで始めたんですが、確かに水泳の練習は大変ではありましたが、できる限り沢山の練習を重ねて、ガウルの夢に向かって進んでいくという気持ちでいました。」

Q共通するのが手話によるコミュニケーションですが、どのくらい練習、苦労されたこと、気づいたことは?

ホン・ギョン「幸い、クランクインに入る前に約2か月半~3か月ほど手話を学ぶことができる練習期間をいただいたので、慌てることなく手話を学ぶことができました。その期間中、私たち3人も自然と親しくなる時間を持つことが出来たんですが、手話を学ぶことはもちろん大変なこともあったんですが、決してネガティブな大変さではなく、とても楽しく学ぶことが出来ました。気づいたことは、一般的に会話をするときは、私たちは言葉を交わしながら、ときには相手の目を見ないで話をしたり、相手が言ってることに対して別のことを考えながら話を聞いてることもありますよね。それでもコミュニケーションが成り立ったりしますが、手話の場合は全神経を集中させて相手を見て、目を合わせる必要があります。相手の心を理解するのはどういうことなのか、相手の心を知ること、感じることはどういうことなのかということをじっくりと考えて振り返ることが出来たような気がしますので、今後、生きていくうえで役に立つ経験になったのではないかと思っています。」

ノ・ユンソ「約2か月半、手話を学んだのですが、その期間、私たちはお互いを知りながら楽になっていく時間でもありました。最初は少しプレッシャーを持ってスタートしたのですが、思っていた以上に手話を学ぶことがとても面白く楽しかったです。手話というのは非言語的な表現でもありますので、表情を読み取ったり、言葉ではない体で何かを表現していることを捉えていくということ、演技面においても手話を通じていろんなことを学びましたし、役に立つところもありましたので成長できたなと思えました。手話そのものが本当に美しい言語でもあると思いましたので、この作品を通じて手話という遺産を私の中に得ることが出来たと思っています。」(会場のファンと手話をやりとりする場面も)

キム・ミンジュ「私は、手話を2か月勉強したのですが、最初は上手くできるかなと思っていたんですが、実際に習ってみたらとても楽しかったです。ホン・ギョンさんとノ・ユンソさんと一緒に息を合わせながら習っていたので気持ちが楽になりました。そして目を見て演技をすることになりますので、演技をするうえでもやはり手話というものが助けになったと思います。今回手話を習う機会があってとても嬉しかったです。」

―最後に、観ていただく皆さんへ ホン・ギョンさんからひとことお願いします。

ホン・ギョン「私は、この作品がある意味、誰かが誰かに対して恋に落ちるのは当たり前のようなことでもあるかもしれませんが、最近の世の中は、人が恋に落ちるというのは、なかなか難しいことなのではないかなと、シナリオを読みながらそんなことを思っていました。いろんな要素、いろんな壁に立ちはだかれている状況に置かれていると思うのですが、映画では、その現在の状況や人が恋に落ちるということが、しっかりと描かれた作品になってると思います。私たちは、音があることが当たり前の環境の中ですが、音がないという状況、そのことによって相手の心をしっかりと覗き込むことが出来るということが、この映画の中に込められていますので、まずは皆さん劇場に来てくださったので、とにかくひたすら楽しんでいただけたら嬉しいです。ありがとうございました。」

最後にフォトセッションが行われ、ファンの声援にギリギリまで手を振って応えていた。

映画『君の声を聴かせて』作品概要

〈STORY〉
大学を卒業したもののやりたいことが見つからず、就職する気になれないヨンジュン(ホン・ギョン)。しかたなく両親が営む弁当屋の配達を手伝うことになった彼は、配達先のプールで手話を使って話すヨルム(ノ・ユンソ)に出会い、一目惚れする。大学時代に習った手話を駆使してなんとかヨルムに近づこうとするヨンジュンだが、ヨルムは聴覚障がい者の水泳グループに所属し、オリンピックを目指す妹ガウル(キム・ミンジュ)の夢を叶えるため、忙しい毎日を送っていて――。

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オリジナル映画:『聴説』(プロデュース:ペギー・チャオ/監督:チェン・フェンフェン)
監督:チョ·ソンホ『エンドレス 繰り返される悪夢』
出演:ホン・ギョン『潔白』『コメント部隊』「悪鬼」「弱いヒーロー Class 1」
ノ・ユンソ『20世紀少女』「私たちのブルース」「イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~」
キム・ミンジュ「禁婚令:朝鮮婚姻禁止令」「コネクション」「アンダーカバーハイスクール」
2024年|韓国|韓国語|原題:청설(英題:Hear Me : Our Summer)カラー|1:1.85|109分|5.1ch|字幕翻訳:福留友子|映倫:G
提供:KDDI 配給:日活/KDDI
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公式HP: https://kiminokoe.jp/
9月26日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

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