「BTS、ユング、こころの地図『MAP OF THE SOUL:7』の心理学」発売!ユング心理学からBTS・ARMYへの「アンサー・ブック」

BTS、ユング、こころの地図『MAP OF THE SOUL:7』の心理学
ユング心理学の入門書「BTS、ユング、こころの地図――『MAP OF THE SOUL:7』の心理学」が、2022年5月24日(火)に発売された。

「ユング 心の地図」は、BTS(防弾少年団)ニューアルバム「MAP OF THE SOUL : PERSONA」のコンセプトとなった本で韓国でベストセラーを記録した。

日本では同書の新装版が2019年4月26日に発売され、日本のARMYの人気を集めたが、この度ユング心理学の入門書「BTS、ユング、こころの地図――『MAP OF THE SOUL:7』の心理学」が創元社より出版された。

著書のマレイ・スタイン博士がBTSに言及したTwitterも

ユング心理学を通してBTSのアルバムを紐解く!

いまや世界的な大スターとなったK-POPグループ、BTS(防弾少年団)。
その4枚目のフルアルバム『MAP OF THE SOUL:7』のタイトルは、ユング派分析家マリー・スタインの著書に由来していると言われており、収録曲にも「ペルソナ」や「シャドウ(影)」「エゴ(自我)」などユング心理学にまつわるキーワードが散りばめられている。

BTSはいったいそこで何を表現しようとしているのか。
そして、なぜユング心理学を題材に選んだのか――。

BTSのアルバムにインスピレーションを与えたとされるスタイン氏本人が、ユング派分析家という立場から『MAP OF THE SOUL:7』を読み解くアルバムの考察書にしてユング心理学の入門書だ。

本のなりたち:BTSのアルバムにインスピレーションを与えた心理学者


マリー・スタインが1998年に刊行した『ユング 心の地図』(原題:Jung’s Map of the Soul: An Introduction)は、BTSが発表した2枚のアルバム『MAP OF THE SOUL : PERSONA』(2019年)、『MAP OF THE SOUL : 7』(2020年)に、大きなインスピレーションを与えたとされている。

スタイン氏は、2021年に2人の共著者を迎え、BTSが作品で取り上げたユング心理学の言葉を解説するための3冊の本を出版した。

その3冊から重要な章を集めて編集し直した「ベスト盤」がこの本だ。
BTSとユング心理学との対話によって生まれた、ユング心理学からBTS・ARMYへの「アンサー・ブック」ともいえる内容となっている。

本書の一部を紹介


「ユングの地図があれば、人生の旅路において自分自身の道をより適切に見つけることができる。いま、BTSはこの地図をファンのみなさんに届けようとしている。」 (P.7

「7は素数だ。素数は1とそれ自体でしか割り切れない。このアルバムのタイトルは、BTSがひとつの存在であり、壊れることのないものだということを示している」 (p.13

「『MAP OF THE SOUL: 7』はBTSの新境地を切り開くものだ。成功したK-POPのボーイズバンドというステレオタイプなペルソナから脱却し、BTSは自らのより深い本質を私たちに見せてくれている。」 (p.18)

「突き詰めて言えば、これはとても肯定的なアルバムだ。ペルソナの背後にある苦悩や現実を明らかにしつつも、グループが持つレジリエンスの力を肯定しているのである」 (p.19

「私なりのBTSの理解で言うと、7人の若者はあるひとつのパーソナリティの異なる側面をそれぞれ表現している。様々な顔を持つ、一人の人物ということだ。」 (p.28

「SUGAは影に自分の声を預け、自分を通して語らせ、普段は隠された影の性質を見せている。SUGAは自分自身の中のいちばん熱のこもった願望や欲望を語っている。まるで密かに自分自身に語りかけているかのようであり、その内的な対話を私たちに聞かせてくれているかのようでもある。」 (p.45

「他者を見つづけようと、BTSは私たちに促している。誰かを見つづけていると、どうしても欠点が見えてきてしまう。それでも見つづけようとすること、さらに付け加えておくと、判断を加えることなく見つづけようとするという事実こそが、あなたが相手を尊重していることの証なのだ。」 (p.62

「わたしはあなたではない。たとえ誰かに同一化していても、わたしは他の誰かではない。わたしはわたしなのだ。」 (P.64

「このアルバムはペルソナからはじまり、影を経て、自我で終わる。それには意味がある。〈中略〉これは重要な心理的発展だ。自我とは、影に対処し、影を統合することで強くなっていくものなのである。」 (p.69

「マリー・スタイン博士の著作がBTSのインスピレーションの源となり、翻って今度はBTSのアルバムが彼らの歌詞や芸術性の意味について深く考えることをスタイン博士に促した。じつに稀有な現象だ。」 (p.200

「はじめに」より

『MAP OF THE SOUL : 7』に収録された曲の意味の深さに、世界中のBTSのファンはきっと驚くことになるだろう。
このアルバムに収録されているのは、努力や野心といったものが持つ意味について、世俗的な成功の危うさと虚しさについて、さらには人生という旅路において、たとえ多くの落とし穴に遭遇したとしても立ち直り、先へと進んでいく、人間の精神の驚くべきレジリエンスの力について、聴く者を深い水準の内省へと導くことができる曲だ。出典(「はじめに」一部抜粋

訳者・大塚紳一郎からのメッセージ


本書を読まなくても、ユング心理学の難しい理論を知らなくても、BTSの音楽や映像作品はもちろん心から楽しむことができます。最良のアートには、いつだって理性を超えていく力が備わっているのですから。

でも本書を読めば、BTSが『MAP OF THE SOUL:7』で見事に表現しているもの──「ペルソナ」「影」「自我」──は、自分自身の人生にとっても大切な何かなのだという実感がきっと生まれてくるはずです。

そのことは『MAP OF THE SOUL:7』を、そして他のBTSの作品を、これまで以上に深く愛することの助けになってくれるでしょう。

ユング心理学がBTSに本気で取り組んだ一冊を、ここにお届けします。(大塚紳一郎

「BTS、ユング、こころの地図『MAP OF THE SOUL:7』の心理学」目次


はじめに
第1章 BTSと7という数字
第2章 『MAP OF THE SOUL : 7』の歌詞の考察
第3章 「こころの地図」について
PERSONA
第4章 イントロダクション:ペルソナ
第5章 BTS、ユング、本当の自分
第6章 ペルソナとアイデンティティ
第7章 自分を愛そう、自分の名前を知ろう、自分を語ろう
SHADOW
第8章 イントロダクション:影
第9章 影
EGO
第10章 イントロダクション:自我
第11章 自我
第12章 世界共通言語としての音楽
BTS、ユング心理学、マリー・スタイン先生──訳者あとがきにかえて

「BTS、ユング、こころの地図『MAP OF THE SOUL:7』の心理学」著・訳者の紹介

マリー・スタイン

アメリカのユング派分析家。国際分析学会副会長。シカゴのユング研究所で20年にわたり教育分析家を勤める。2003年以来スイスに住み、現在はISAP Zurich(チューリッヒ国際分析心理研究所)の訓練分析家。2001‐2004年、IAAP(国際分析心理学会)会長、2008‐2012年ISAP Zurich所長。著書に『ユング 心の地図』(青土社)など多数。

スティーヴン・ビュザー

医学博士。C.G.ユング研究所の2年間の臨床研修プログラムの卒業生で、アッシュビル・ユング・センターの共同創設者。20年以上にわたり個人で精神科医として働いてきた。Chiron Publicationsの発行人を務めている。

レオナード・クルーズ

医学博士。Chiron Publicationsの編集長で、アッシュビル・ユング・センターの共同創設者でもある。著書に『The Unconscious Roots of Creativity』、共著書に『DSM-5 Insanely Simplified』など。

大塚紳一郎(おおつかしんいちろう)

1980年、東京生まれ。臨床心理士・公認心理師。2002年慶應義塾大学文学部卒。2009年甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、大塚プラクシス。訳書に『ユング 夢分析論』『分析心理学セミナー』『心理学の7つの大罪』『医師が死を語るとき』(すべてみすず書房)など。




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