5月14日（水）TOKYO FMホールにて、映画『怪しい彼女』に来日した主演のシム・ウンギョンが、堀ちえみ、マキタスポーツとともにトークイベントを開催。その様子をレポートします！

韓国で860万人以上を動員、先日開催された沖縄国際映画祭にて観客賞【Peace部門】海人賞グランプリを受賞し、早くも “アヤカノ”旋風を巻き起こしている映画『怪しい彼女』。熱演ぶりが大絶賛されている主演のシム・ウンギョンと、スクリーンデビューしたB1A4のジニョンやドラマで活躍中の俳優のイ・ジヌク、さらにドラマ『太陽を抱く月』で日本でも大人気となったキム・スヒョンがカメオ出演するなど、今もっとも話題の映画となっている。

7月11日（金）からの公開に先立ち、主演のシム・ウンギョンがプロモーションのために来日。5月14日（水）TOKYO FMホールにて、ゲストに80年代にアイドルとして活躍した堀ちえみと、映画『サニー　永遠の仲間たち』の時からのシム・ウンギョンのファンであるマキタスポーツをMCに迎えて、トークイベントが開催された。
イベントでは主役を演じたシム・ウギョンの演技力や劇中披露される本人の歌声を大絶賛！本作の魅力や、70歳のおばあさんが突然20歳に戻り、人気歌手になっていくという映画のストーリーにちなみ、自身の20歳のころの思い出などを語るなど楽しいトークが繰り広げられた。

MCのマキタスポーツは、登壇したシム・ウンギョンに、“陶器のような美肌”と褒めると、ウンギョンは照れながら「肌は強いほうなんです」と答えた。映画『サニー　永遠の仲間たち』を見て、僕は「オッサニー」という全員男性の集団を結成したというマキタスポーツ。『サニー…』は特に女性に人気があったこともあり、「劇場に見に行ったとき、女性が多かったので変な状況でした。（笑）」とエピソードを語った。

今回の『怪しい彼女』の中での方言の話題になると、「今回は完全な方言というよりも、チョルラドの方言が基盤になって、おばあさんの話す口調にポイントを置いていたので、正確な方言ではないかもしれません。」と劇中の方言について語った。

ー今回、20代ですが中身が70歳を演じるうえで苦労したことは？

シム・ウンギョン：私が経験したことがない未来の年齢を演じるということで、“私におばあさんの感性を表現できるのか？”と最初は悩みました。シナリオを読んで演技が出来るか分からなかったので、実は出演を遠慮しようかなと思ったのですが、何度かシナリオを読み返してみたら、この映画はしっかりと伝えたいことが明確で、家族の意味をもう一度考えさせてくれるいい作品だと思い、こういった意味のあるいい映画に参加できることに意味があると思って、出演を決めました。
マキタスポーツ：本当におばあちゃんに見えましたね。20歳なのか70歳なのかどっち？
シム・ウンギョン：今は（韓国で）21歳の花盛りの歳です。（笑）気軽に話していただいて大丈夫です。（マキタスポーツ「お尻を叩かれるんじゃないかと～」）普段はしないです。映画の中だったからできました。（笑）

ー印象的なのが歌を歌うシーンですが、どの曲も素晴らしくて、曲自体が凄く印象的で素敵な曲なんですけど（会場にOSTの曲が流れ）吹き替えなし（自分で）で歌ったんですよね？

シム・ウンギョン：もともと歌うことやダンスをすることが、とても好きだったんです。子供のころに声楽を習っていまして、発声法とか歌い方が今回の映画やOSTのレコーディングの時に役立ちました。
マキタスポーツ：踊ってる姿は、おばあさんっぽいけど、歌ってる声はものすごく透明感がりますね。

シム・ウンギョン：今回はダンスの振り付けの先生と相談しながら振り付けを決めていって、こちらのアイデアも出したんです。出来るだけおばあさんっぽいダンスや動きにしようと手を動かしてみたりしたんです。だから上手に踊るというよりもちょっと可愛らしく、不器用な感じで踊りたいということでアイデアを出しながら撮影をしました。

ここで、OSTの曲は全て1970～80年代に韓国で流行した曲ということで、かつて日本のアイドルだった堀ちえみがゲストとしてステージに登壇！

ー本作を見ていかがでしたか？

堀ちえみ：笑いあり、涙ありで、最初はもっとコメディっぽいのかなと思ったんですけど、お母さんと息子のエピソードなど胸にぐっとくるシーンがいくつもありまして、涙しながら、観させていただきました。２０代と７０代を演じ分けるのは非常に難しかったと思うのですが、どういう点を気をつけて挑んだのですか？

シム・ウンギョン：今回は撮影する前から、“私はおばあさんなんだ”と思い込んで撮影に臨むようにしていたんです。実際におばあさんのマルスン役のナ・ムニ先生と頻繁にお会いして、監督さんと一緒に何度も台本の読み合せもしました。それからナ・ムニ先生の行動を観察して普段どんな動きや仕草をされるのか、歩き方、言葉遣いをチェックしました。ただ動きを真似するだけではいけないと思ったので、私なりの20代の姿をそこに重ねていったんです。それで容姿は20代、心は70代のオ・ドゥリを作っていきましたので、私の感性もそこに入っています。
堀ちえみ：最後の後ろ姿もゾクッとしましたね。

ーアイドルとしての歌っているウンギョンさんを見てどう思いましたか？

堀ちえみ：自分もあんなイキイキと歌っていたのかしら？と（笑）。見ていて自分と重なる部分もあったんですが、当時は忙しすぎて、あれくらい凄く楽しそうに歌えたら楽しかっただろうなと思いました。
マキタスポーツ：あの当時、堀さんも70歳の心があれば、楽しく歌えたのかもしれないですね。
堀ちえみ：そうかもしれない。（笑）

ここで堀ちえみの20歳のアイドル時代の写真を公開。

シム・ウンギョン：（写真を見て）本当に人気が凄かったんですね、お綺麗です。なかなか堀さんの歌を聞く機会がなかったのでこれから探して聞いてみます。実は活躍ぶりは韓国でもインターネットで検索して少し見せていただいたんですが、本当に大スターで、このようにご一緒出来て本当に光栄です。
堀ちえみ：調べてくださったなんて、J-POPが好きなんですね？
シム・ウンギョン：J-POPはK-POPと同じくらい大好きです。（―たとえばどんな曲？）少し前ですが、ZARDさんやEXILEさん、安室奈美恵さんなどです。（―何か知ってる歌はありますか？）よくカラオケで歌詞が出てくるのでそれを見て歌っていましたが…次の機会に歌えるように練習します（笑）

堀ちえみ：今回の映画では歌ってるんですよね？

シム・ウンギョン：実は制作チームのほうでは、吹き替えの声だけで、歌は歌手の方にお願いするか悩んでいたんですが、私自身が直接歌ったほうが感動を伝えられると思ったんです。もちろん歌手の方がやってくれていたらもっと上手で歌唱力もあったかもしれないんですけど、今回のキャラクターには歌唱力よりも人々の皆さんの琴線に触れるような、感動を伝えられるのではと思って、制作チームも私の意見を受け入れてくれてOSTに参加することが出来ました。
堀ちえみ：本当に素晴らしい声でしたね。

次にマキタスポーツの6歳の頃の写真を公開。

シム・ウンギョン：（笑）子供の頃と今と全然変わってない気がします。
マキタスポーツ：ありがたい、自信持つわ～
シム・ウンギョン：ファイティン！（とマキタスポーツを励ますウンギョン（笑））

ーウンギョンさんは子役出身ですが、子供から大人へとだんだん成長してきて難しくないですか？

シム・ウンギョン：本当に難しいですね。子役から成人の俳優になるのは本当に大変なことだと思います。どうしても子役時代に活動してると、そのイメージを持たれてしまいますね。同時に大衆の皆さんというのはちょっと画面に出てないと忘れてしまいますし、どういう風に成人の俳優になっていくのかひとつの峠だと思いました。とっても大変だなと感じていたので、実は『サニー…』の後にアメリカへ留学するという選択をしたんです。

堀ちえみ：私も大人になるっていうのが難しかったというか…それでやめちゃったんです。一つ大ヒットの作品があるとそのイメージがついてしまって、そういう役しかできなくなってしまうので10代の頃、本当に苦しんだと思います。
シム・ウンギョン：今のお話にとても共感できました。

堀ちえみ：20歳だといろんな役が出来るので、今回の作品で70歳のウンギョンさんを垣間見た気がして、これから先いろんな役をやっていけるんじゃないかなと凄く楽しみですね。
シム・ウンギョン：映画の中では今回のおばあさんのような姿を見せて、実際に70代になったらストレートのロングヘアにして、垢抜けた70歳になりたいです。（笑）

今月の5月31日に20歳を迎えるというシム・ウンギョンにバースデーケーキがステージに登場。『怪しい彼女』のヒットの祈願と誕生日を祝って、みんなで『ハッピーバースデー』の歌をプレゼント。

シム・ウンギョン：（嬉しそうに）本当にありがとうございます、まったく予想していなかったので、今、何と気持ちを表現していいかわからないのですが、とても感動しています。いい思い出をどうもありがとうございます。

―堀さん、これから見る人にひとことお願いします。

堀ちえみ：懐かしい感じもする映像と、彼女の美しい声が心に沁みこみます。最後の字幕に胸に訴える言葉が出てきたので、全国の沢山のお母さんにぜひ見ていただきたいと思います。

―ウンギョンさん、最後にメッセージをお願いします。

シム・ウンギョン：『怪しい彼女』は、ぜひ家族の皆さんやお友達と映画館に行って楽しんでほしいと思います。本当に肩の力を抜いて気楽な気持ちで楽しめる作品です。7月11日に公開されますので、久しぶりに、家族と一緒に手をつないで映画館に行ってみてはどうでしょうか？本当に今日は大勢の方に来ていただいて、ありがとうございました。

また、イベント後に堀ちえみは、初対面のシム・ウンギョンについて「可愛らしいお嬢さんで、小さいころからお仕事されてるということで、とても芯のある女優さんだなと思いました。」と絶賛し、『サニー』で「オッサニー」を結成したというマキタスポーツは、「僕は勝手に日本の「オッパ（兄さん）」だと言ってるのですが、会ってから一度も呼んではくれません（笑）」と沸かせた。

―もし、20歳にもどれたら？

マキタスポーツ：20歳のころから毛髪ケアをしたい、毛髪は大事にしろと言いたい（映画に出てくる、50歳若くなれる）青春写真館に俺も行きたいよ。

堀ちえみ：ここに来るまで長かったので戻りたくはないですね。今が楽しいので、また同じ道を歩かないようにしたいです。今から戻るんだったら10日間だけだったらいいかな。（笑）忙しくていつも眠かったので、もっとイキイキとした目で仕事をしたいですね。

最後に堀ちえみは「あの年にデビューしたから、今の自分があるので、それは凄くラッキーでした。ファンのためにも自分のためにもとにかく走り続けましたね。20歳の時は、ちょうどやめて大阪に戻って睡眠を取り戻していた頃ですね。（笑）睡眠は大事です！」と多忙だった当時を振り返った。アイドル全盛期82年デビュー組には、堀のほかに、早見優、松本伊代、小泉今日子、中森明菜、そしてシブガキ隊などがおり、同期でもあり離婚問題で渦中の布川敏和（シブガキ隊）と、つちやかおりについて、「かおりちゃん大事にしてくれないと…時が過ぎたら、布川（敏和）君に電話してみようかと思います。」と心配するコメントを残した。