大ヒット公開中『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』 主演キム・ナムギル&イ・ユンギ監督ロングインタビュー
先月29日(土)より公開中『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』。
主演のキム・ナムギル&イ・ユンギ監督のロングインタビューが公開となった。
キム・ナムギルは『無頼漢 渇いた罪』でカンヌ国際映画祭に初参加し、TVドラマの「善徳女王」、「赤と黒」にも出演。幅広く活躍し、日本でも絶大な人気を誇る。
イ・ユンギ監督は『チャーミング・ガール』(06/監督・脚本)で監督デビューし、『アドリブ・ナイト』(08/監督・脚本)、『素晴らしい一日』(11/監督・脚本)、『愛してる、愛してない』(13/監督・脚本)などの数々の心打たれる‘愛の物語’を描き続けてきた。
今回はそんな2人が最新作『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』への想いを語った。
<キム・ナムギル 主人公ガンス役 インタビュー>
Q1、本作を選んだ理由
台本を読むたびに違う印象を受けました。台本から僕が受けた印象を皆さんにも伝えたいと思ったのです。もう一つの理由は世間に対する憂慮ですね。最近は他人への配慮が薄れ、人間関係が悪化しているように感じます。僕はこの作品と出会い、人間が守るべきものは何かと考えさせられました。僕が台本を読んで感じ取ったものを皆さんと共有できたらと思い、出演を決めました。
Q2、イ・ユンギ監督と組んだ感想
監督の映画が持つ色というか、スタイルや特徴が前から好きでした。そういう部分に尊敬の念を抱いています。今回の物語は男女の区別なく、’人間’を描いた作品です。本作は人文学のような物語なので、そこに監督の感性が加わるとどうなるのか楽しみでした。そして監督と組むことへの期待感と不安もあったり、さまざまな思いで監督とご一緒しました。
Q3、チョン・ウヒについて
僕が共演した中で最高の女優の一人です。彼女と同世代の女優たちの中でも最高ではないでしょうか。演技や作品に対する姿勢や彼女の演じる時の感性だとか表現力の高さ、相手役との息の合わせ方などを見ても驚かされる点が多いです。彼女のおかげで助けられた場面もあります。なので、共演しながら感謝することが多かったですね。
Q4、演技のポイントは?
他人に見えない女性、ミソを相手に一人芝居をする時、観客の目に不自然に映らないように気を付けました。監督やチョン・ウヒさん、スタッフの方々もその点に気を使いました。視線の運び方や一人芝居が不自然に見えないことが重要だと思いましたね。
Q5、本作のみどころ
大切なものを見失いがちな世の中において、誰もが共感できる物語です。ぜひ多くの方々に過去や現在の自分と重ね合わせて見てほしいです。自分を重ねて観る中で温かさを感じ、癒されて欲しいと思います。本作が明日を生きる勇気を与えられたら嬉しいですね。多くの方々にご覧頂きたいです。最近の映画は優しい作品が少なくて、刺激的なものが多いです。そういう映画にも温かい面はありますが、本作は一線を画してると思います。劇場で残忍なシーンに震えあがったり、驚いたりするのが苦手な方々でも楽しめる作品です。
<イ・ユンギ監督 インタビュー>
Q1、主人公ガンスとミソの紹介
2人とも身近にいそうな平凡な人物で、それぞれに悲しい事情を抱えています。真面目に平凡な人生を歩もうとしているそんなごく普通の人物です。キム・ナムギル演じるガンスは保険調査員です。一見、平凡な職業にみえますが意外と特殊な職業です。
ガンスは愛する妻を失い、人生に迷っている男として描かれています。ミソは生れた時から目が見えないというハンデキャップを背負っている人物です。彼女は大変な環境で育ってきたうえに事故にまで遭ってしまいます。懸命に生きているのにうまくいかない、そんな数奇な運命を持つ女性ですね。
Q2、主人公ガンスにだけミソが見える理由
一種の運命でしょうね。映画をご覧になれば、2人が出会うよりもずっと前から運命的に結びついていたと分かるはずです。ガンスとミソはそれぞれに悲しい事情を内に抱えながら、それを口に出せない部分が似ています。ただ、それは彼らに限った特徴ではなく、多くの人がそのように生きています。感情を出せないのは特別な事ではありません。悲しみを言葉に出来ないのは、多くの人に共通する性質です。
Q3、キム・ナムギルとチョン・ウヒについて
いたずらっ子ですね(笑)映画の撮影現場にはどう頑張っても苦労がつきまとうものです。でも、2人は楽観的で辛そうには見えなかったですね。お互いふざけ合ったりして楽しんでいました。無理に明るくするわけでなく、ごく自然に楽しんでいました。2人は俳優として良いイメージが定着しています。でも本作では違う印象を受けるでしょう。完全に違う姿ではなく、より平凡でより親しみやすい、明るく可愛い人物として登場します。2人とも最近の作品で演じていた役がシリアスだったので、今回は正反対のイメージに見えると思います。
Q3、本作の見どころと監督の過去作との違い
本作は、心の休息になる映画を目指しました。本作の関係者にも観客にも癒しになれば嬉しいです。普通の感性を持つ人なら誰もが心を動かされる作品にしたかった。映画に感性を刺激されて癒されて欲しいです。最初から最後までリラックスして見られて癒しを得られる映画はあまり多くありません。本作が観客に癒しを与えられるかは公開してみないと分かりません。でも、それを目指しました。癒しが本作を作った一番の目的です。
8月5日(土)~8月11日(金)までシネマート新宿、シネマート心斎橋、ディノスシネマズ札幌劇場にて本編上映前にキム・ナムギル&チョン・ウヒのスペシャルコメント動画が公開される。
ワン・デイ 悲しみが消えるまで
出演:キム・ナムギル『パンドラ』、チョン・ウヒ『哭声/コクソン』、パク・ヒボン「プロデューサー」、ユン・ジェムン『ラスト・プリンセス』
監督:イ・ユンギ『チャーミング・ガール』 『アドリブ・ナイト』 『素晴らしい一日』
2017/韓国/カラー/韓国語/113分
英題:One day
原題:어느날
配給:ファインフィルムズ
© 2017 INVENT STONE ALL RIGHTS RESERVED
7/29(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開中
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