チャンソン(2PM)×ハン・サンヒ監督合同インタビュー取材レポ!映画『忘れ雪』公開中!

「純愛三部作」累計70万部のベストセラー、新堂冬樹原作の純愛小説『忘れ雪』(角川書店)の映画が実写化。主演には、アジアNo.1野獣アイドルと呼ばれる韓国出身グループ2PMのメンバーとして日本でも人気のチャンソンと、原作者・新堂冬樹の熱いラブコールのもと、女優として活躍し、注目度急上昇中の大野いとがヒロインに大抜擢。そしてメガホンを撮ったのは、『初雪の恋 ヴァージン・スノー』(2007)『愛の言葉』(2014)などで男女のピュアな恋愛模様を繊細に描いたハン・サンヒ監督。本作でも原作の繊細な描写と深雪に降りかかる事件というサスペンス要素のコラボレーションをディテールの細かな演出で描いています。
この度、特別上映会の合間に主演の2PMチャンソンさんと、ハン・サンヒ監督にインタビューさせていただきました!

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Q.この度、舞台挨拶がありましたが感想をお願いします。

ハン監督:反応がすぐ感じられて良かったと思います。
チャンソン:映画が終わった後に挨拶しましたが、映画の雰囲気もあって全体的に落ち着いた感じでしたので、お客さんの反応がいいのかな?…と(笑)
ハン監督:いいと思います。(笑)

Q.監督さんは、チャンソンさんと今回一緒に仕事をされていかがでしたか?

ハン監督:最初の印象は、やっぱりアイドルという雰囲気が強かったのですが、私は監督として彼を俳優として見ていていました。セリフが全部日本語ということで、最初にみんなで集まって、本読みの時も日本語で漢字もあるし、セリフも別の国の言葉は韓国語よりは難しいじゃないですか?それを乗り越えて、それ以上のことも感じることが出来て、もうちょっと長い機会があったらもう一回やりたいと思いました。
監督として個人的に俳優としての活動もいいんじゃないかなと思いました。

Q.チャンソンさんの俳優としての魅力とは?

ハン監督:泣くシーンなどの難しいシーンで、彼は周りとか関係なく役に入ることが出来て、子供からこの世界でやってるので、主役なのに主役だけじゃなくて周りも見ることが出来るのが、全体的な目線が大事なことなので、そこが大人だなと思います。

Q.チャンソンさんは監督とお仕事をされていかがでしたか?

チャンソン:監督は本当に情熱的な方で、それがとてもいいと思ったんです。現場で韓国人は監督と僕の2人きりだったので、最初の頃は2人でいるとずっと韓国語で話していたのですが、次第に日本の俳優さんやスタッフさんに、監督も日本語でディレクションを説明されていたので、中盤以降は2人でも日本語で会話をするようになっていました。
そんな風にしながらある瞬間、これは並大抵の情熱じゃないと感じたんです。監督は韓国人として日本に来て映画を撮っているわけですが、それはやはり、ものすごい情熱がないと出来ないことだと思います。
今回監督と映画をご一緒して、監督特有の雰囲気というのを感じました。それはカメラワークからも感じましたし、俳優とのやり取りからも感じました。俳優が考えるシーンと監督が伝えるシーンでは、視点の違うものありますが、監督ならではスタイルがあると感じて、それがとてもよかったです。

ハン監督:ありがとうございます。

Q.この映画にチャンソンさんを起用された理由と経緯を教えてください。

ハン監督:企画から集めていって、今回の映画は日本で原作がとても有名で10年前からやりたいと言っていて、その時は原作者の新堂先生から許可がもらえなかったのですが、今回、企画で主役を韓国人に変えたら許可がもらえたんです。そこで誰を主役に選ぶのかが難しくて、いろんな候補の中で、彼はもちろんいろんなことをやっていますが、俳優としての活動も頑張っていて、日本でのドラマを見てちょっとびっくりしました。その後に韓国でのドラマも見て、これはいいのではないかと思い、直接会ってみて決めました。俳優としてもそうですが、プライベートで会ってみて、これは合うのではないかと思ったんです。
彼はまだ25歳ですし、年を重ねたら深い話も出来るだろうし、これからだと思います。そして思ったより日本語が上手いと思いました。日本の現場に入って、セリフとかだけじゃなくて、微妙な雰囲気とか、空気を読むことが出来ない人も多いんですよ。スクリーンの中だけでなく、日本の文化とかスクリーンの外のことも結構大事なことだと思うんです。彼は大人で、主役としての雰囲気を作ることが出来る人なので、私だけじゃなくて、日本の監督と直接仕事しても大丈夫だと思います。

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Q.チャンソンさんは、今回の映画のオファーを受けた感想は?

チャンソン:最初に韓国でシナリオをいただいたのですが、韓国映画のシナリオが来るものだと思っていたら、「日本からこんなシナリオが来ましたよ」と渡されて、日本映画という先入観なしにシナリオを読みすすめました。獣医の役柄ということで、「テオ」という人物が凄く面白いなと感じて、すぐにやりたいと思いました。
監督とも撮影前にお会いしてお話しする機会があって、出演を決めたのですが、僕は決断がとても早いほうなんです。自分がやりたいと思えばすぐに決断してやりますし、自分が感じたものが微妙なものがあれば、それはやらないという性格なので、今回の作品に関しても決断はとても早かったんです。

Q.今回出演して学んだことや得たものはありますか?

チャンソン:撮影をしながら感じたのは、僕が主演の作品は今回が初めてになるわけですが、主演で映画を撮るという意味は、その映画をずっと1人で引っ張っていくという意味でもありますよね?そして、思ったよりも自分が出演しているシーンが本当に多くて、僕が出ていないシーンがないくらい分量が多かったんです。最初から最後までひとつの作品を引っ張っていく作品に、撮影に入ってみたら自分が考えていたより出演が本当に多いことを実感して、そんな作品に出会えたのは個人的に本当に運が良かったと思います。
これまでは助演や主演が何人かの1人というのはありましたが、今回は完全な主演俳優なので、ものすごいエネルギーが求められるということを学びました。主演俳優のエネルギーが落ちると、周りの全ての人たちのエネルギーも一緒に落ちてしまう。自分だけでなく、周りの監督さんやスタッフさんや共演者の方々のエネルギーも釣られて落ちていくので、自分がどこかでエネルギーを落としてしまうと、その瞬間、そのシーン、そのカットは台無しになってしまうという、とても重要なことをこの現場を通じて学びました。
監督がとにかくエネルギッシュな方なので、そこに助けられたことが本当に多いと思います。監督が現場に入ってきて説明をすると、眠っていた目も一気に覚めるようにファイトが溢れてくるような感じでした。個人的に、この作品に出会えて本当に感謝しています。

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最後に、「映画で『忘れ雪』に願い込めるシーンがありますが、もし何か願いが叶うとしたら?」とチャンソンさんにお聞きしたらしばらく考えて「拍子抜けさせていまいますが、あまりそういうのが無いんです…すみません~(照)」というお答え。その真相は「“願い”というのは一朝一夕で叶うものではなく、やっぱり持続的な努力が必要だと思うので、この場で何か叶えたいというものがないんです~」という真摯な説明に“なるほど~”と感心してしまいました。

日本映画に初主演、そして全て日本語のセリフと難しいシーンの連続で、かなりのプレッシャーだったのではないかと思われますが、日々努力を惜しまないチャンソンさんだからこそ実現した作品ではないかと思います。監督の繊細な演出が観るものを引き付ける映画「忘れ雪」ぜひスクリーンで!

映画『忘れ雪』
■出演:チャンソン (2PM) 大野いと 久保田悠来 吉倉あおい 碓井将大 浅井雄一 堀田眞三 上遠野太洸(友情出演)/高知東生ほか
■原作:新堂冬樹「忘れ雪」(角川書店)
■監督:ハン・サンヒ(『初雪の恋 ヴァージン・スノー』『愛の言葉』)
■上映時間:100分
■配給:アーチ・エンタテインメント
シネマート新宿他全国順次公開中!



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