イ・ビョンホン『王になった男』来日記者会見レポート

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2月16日より公開の映画『王になった男』のプロモーションのために来日したイ・ビョンホンが1月29日(火)ジャパンプレミアの前にザ・ペニンシュラ東京にて来日記者会見を行ないました。

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韓国で歴代TOP3の興行成績をあげ大ヒットとなり、時代劇としてNo.1なった『王になった男』では初の時代劇に挑戦して王と影武者の二役を演じ高い評価を受けたイ・ビョンホン。今年はハリウッド映画『G.I.ジョー』シリーズや『RED/レッド』続編も公開され、まさにイ・ビョンホンイヤーの多忙な中『王になった男』ジャパンプレミアのために日本に駆け付けてくれました。

―はじめにご挨拶をお願いします。
イ・ビョンホン:来日するのも久しぶりですし、このように映画の作品で記者の皆様の前で記者会見をするのはとても久しぶりですが、非常に嬉しくて胸がときめいています。

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―初めての時代劇で王と彼の影武者である心優しい道化師の二役を演じるということで、かなり挑戦という意味合いが強かったのではないかと思いますがいかがでしたか?
イ・ビョンホン:私にとっては時代劇も王の役を演じるのも初めてでした。これまでは時代劇を避けていたわけでもなく、今回の作品が時代劇だから挑戦しようとしたわけでもありませんでした。とにかくこの作品の物語が非常に素晴らしく、楽しい作品だと思えたので出演を決めました。撮影中はとても楽しく撮影が出来ましたし、新しい経験が出来て多くのことを学ぶことが出来ました。

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―この作品が興行成績3位を納めたイ・ビョンホンさんなりの要因と、日本の観客にはどういうところを見てほしいですか?
イ・ビョンホン:まずはイ・ビョンホンが出演しているからではないかと思います。(笑)冗談です。この作品は歴史的な事実を基盤にしているもので、実際の王の日記を見ると映画で描かれている15日間は空白になっているんです。そこからヒントを得てそれをモチーフにその空白期間に“こんなことが起きたらどうだろうか”とフィクションを加味して作られました。そんな風に史実が基になっているところに皆さんが関心を持ってくださったと思います。さらに当時ハソンがどん底の生活をしていたのですが、劇中では王様の真似をしています。王様というのは時代や国を問わずどの人達も世の中に対して鬱憤を感じたり不満や悲しみを持っていたりすると思いますが、その代わりに映画の中で吐露してくれたと思います。そして正してくれたところもあったので見ている観客は代理満足を得られたのではないかと思います。そういった点が沢山の方に非常に痛快で楽しく見られたところではないかと思います。

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―日本の観客へ見どころポイントをお願いします。
イ・ビョンホン:日本の方への見どころというよりも、“もし自分が王様だったらどうだったろうか?”ということを考えながら見ると楽しんでいただけると思います。そして非常に痛快な気分を味わうことが出来ると思います。もちろんこの作品は歴史的な事実を基にしているのですが、そういったことや、国の習慣や文化を知らなくても気軽に見て楽しめるものだと思います。先ほどアメリカのL.Aでプレミア上映があったのですが、非常に遠いアメリカや、イギリスなどでもとても楽しんで見てくださってる姿を見て、なおさらそんな思いが強くしました。

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―沢山の作品に主演されたビョンホンさんにとって、現場を引っ張っていく主演俳優という立場と王様を演じるというのは共通するものはありますか?
イ・ビョンホン:確かに表面的には似ているところがあるかと思います。周りの視線を一心に集めるところや、それによって制限された生活をしなければならないとか、思っていても権力を乱用してはいけないとか似ているところは沢山ありますね。仮に自分が何か命令したとしても叶うかもしれないけど、必ずそこには責任が伴って責任を取らなければいけないということが似ていると思います。ただ、俳優として違う部分もあると思うんです。王というのは民の声に耳を傾けて民が求めていることをやっていくのですが、俳優というのはずっと最初から最後までファンの好みだけに合わせてしまうと自分のカラーを失ってしまうということが演技のうえであると思います。なので、作品を選ぶ時も自分の意思で選択をすべきだと思いますし、もちろん耳を傾けるのですが、あまり傾け過ぎると、自分の考えを見失ったりするというのが違うと思います。

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(BSジャパン・韓流ファクトリーの藤原倫己氏から) (ヒョン!)兄貴!とても会いたかったです!(ビョンホン「すみません、気付きませんでした」笑)ハソンが王の真似をするのにコミカルな踊りを見せますが、そういったビョンホンさんのコミカルな姿を見るのが初めてでしたので、演技の他に踊りの練習も沢山したのでしょうか?そしてハソンは素晴らしい笑顔で民衆に近づいていきますし、イ・ビョンホンさんのいい笑顔とカリスマ性で後輩から尊敬されていますが、僕もそんな笑顔を練習しようといつも鏡を見て練習していますが上手くいかないのですが、この練習方法は合ってますか?
イ・ビョンホン:この映画の中で韓国舞踊のパフォーマンスを見せるシーンがありました。ハソンはとても滑稽で突拍子もないところがあり、面白いキャラクターですが、おそらく皆さんもそういった姿は他のところでも時々見られるかと思います。パフォーマンスのシーンは本当に大変な撮影でした。最初はとても簡単だと思っていて、大したことはないかなと思っていたのですが、全くそうではありませんでした。韓国舞踊というのは基礎から学ばなくてはいけなくて、歩き方ひとつにしても長い時間練習してようやく身についていくんです。あのシーンは最初の撮影で撮る予定だったのですが、まだまだ練習が足りなかったので最後に回しましたので、あのシーンの撮影で今回の映画の撮影が全て終わったんです。舞踊や演技の練習はしても、表情の練習はあまりしないと思うんです。なぜかというと俳優は心の中にそういった感情を持っていないと表情として伝わらないので、いくら表情だけを練習しても全くダメだと思います。トモ(藤原)さんもそういった練習はやめたほうがいいかと思います。(会場笑)

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―今回のシナリオを読んで出演しようと決心をされたシーンはどのシーンですか?
イ・ビョンホン:今回はどこか1つのシーンだけで出演を決めたわけではなく、全体の物語が私の心に響いたので出演を決めました。なぜこの作品が気に入ったかというと、誰でも一度は“自分が王様だったらどうだろうか”と想像すると思うのですが、そういったことを非常に骨太なメッセージで伝えてくれているなと思ったからです。しかも重くなりがちな部分を非常に笑える部分もありコミカルに描かれていたので、素晴らしいシナリオだなと思い、私にとってはアピールポイントになり出演を決めました。

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―俳優として日頃から努力され自分を高められている印象を受けますが、具体的に身体的にも精神的にも気を付けていることはありますか?また自分の弱点はありますか?
イ・ビョンホン:俳優という職業は何かを練習したり、勉強したりして高みを出せるものではないと思います。なぜかというと俳優は人生を語り、人生を自分の体を持って演技を見せるので、本を読んだり自分を磨いたりすることで俳優という仕事が出来るとは思っていません。後輩にはよく「分別を持ってはいけない」と言うんです。俳優だけではなくアーティストの人達などは、奇抜なアイディアや創意工夫が必要で、特には突拍子もないような考え方というのがあると思いますが、そういったいろいろな想像の芽を切ってしまうことになると思うからです。日本はどうか分かりませんが子供が成長していく中で、親が子供に対して小言というのが「もっと大人になれ」「もっと分別を持て」ということですが、後輩にはその反対のことを言っています。たとえ歳が50歳でもいくつになっても、やはり少年としての気持ち持っていた方がいいと思います。そういった気持ちがあればいい考えも浮かびますし、いろんないいアイディアも浮かんでそれを表現することも出来ると思います。そんな風に後輩達には話していますが、自分の弱みについては沢山あり過ぎるのでこれだとは言えないですが、この例で言うと、周りの人達には忠告しつつ、自分ではそれが実践出来ないのが弱みでしょうか。

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最後にフォトセッションで会見終了
(ここでは金糸で龍が織り込まれ王だけが許されるという実際に映画の中で着ていた赤い衣装の前で撮影)
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■取材後記
会見場に入りきらないほどの多くの取材陣と無数のフラッシュを浴びていたビョンホンさんのオーラは凄かったです。質問にも丁寧に答え、時折り見せるキラースマイルはやっぱり素敵ですね!

取材日:2013年1月29日(火)

◆映画『王になった男』
2月16日(土)より新宿バルト9、丸の内ルーブルほか全国ロードショー
©2012 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved
配給:CJ Entertainment Japan
公式HP: becameking.jp


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